ノア
ノア
ねえトワくん、最近ニュースでストーカー事件の話を聞くと、なんだか怖くなっちゃって…。 最初はすごく優しい人だったのに、どうして急に変わっちゃうのかな?
トワ
トワ
本当にそうだよね。僕も『自分は大丈夫』って思いたいけど、正直どんな人が危ないのか、見分けがつかないよ…
ノア
ノア
付き合う前に見抜く方法とか、ないのかな?

多くの人がノアやトワのように、
漠然とした不安を抱えています。

しかし、
恐怖を感じるだけでは身を守れません。

今回は、感情論ではなく、
犯罪心理学の権威ある分類
警察庁のデータに基づき‥

「なぜ人はストーカー化するのか?」

その心理メカニズムと、
日常に潜む予兆について解説します。

1. データで見る現実:
犯人は「見知らぬ人」ではない?

まず、私たちが持っている「ストーカー=見知らぬ怪しい人」というイメージについて、実際のデータを見てみましょう。

【ストーカー事案における加害者と被害者の関係】
警察庁の統計(令和5年)によると、
ストーカー被害の相手方の
内訳は以下のようになっています。

  • 交際相手(元含む): 約38%

  • 配偶者(元含む): 約12%

  • 知人・友人・職場関係: 約25%

  • 面識なし: わずか約5%

出典:警察庁 生活安全局「令和5年におけるストーカー事案の検挙状況等について」

驚くべきことに、
「全く面識のない他人」
からの被害はわずか5%程度
です。

被害の多くは、
元恋人や配偶者、職場の同僚など、

「すでに人間関係がある相手」

との間で起きています。

つまり、トラブルは‥
「出会った後」や
「別れ話」の際に発生するため、

相手が
「別れを適切に受け入れられる
タイプかどうか」
を事前に知っておくことが、
最大の防犯対策となります。


2. 【犯罪心理学】ストーカーは
「5つのタイプ」に分類される

では、どのような人が
ストーカー化しやすいのでしょうか?

オーストラリアの精神科医
ポール・ミューレン(Paul Mullen)博士らが提唱した、
世界的に引用されている

「ストーカーの5分類(1999)」

を知っておくと、
相手の行動を冷静に分析できます。

① 拒絶型(The Rejected)

もっとも多いタイプです。

元恋人や配偶者から
別れを告げられた際に、

「関係を修復したい(執着)」
という気持ちと、
「傷つけられた(復讐)」
という怒りが混ざり合って暴走します。

② 親密希求型(The Intimacy Seeker)

孤独感が強く、
「この人こそが運命の相手だ!」
と一方的に思い込むタイプです。

相手が拒絶しても
「今は照れているだけ」
「僕を試しているんだ」と、
自分の都合の良いように解釈します。

③ 無能型(The Incompetent)

「相手の気持ちを考える」
ことが苦手で、
社会的なスキルが低いタイプです。

悪気なく
しつこくデートに誘ったり、
空気が読めない行動を
繰り返したりします。

④ 憎悪型(The Resentful)

「自分は不当に扱われている」
「馬鹿にされた」
という被害者意識が
強いタイプです。

相手を怖がらせることで、
自分が優位に立ったような
満足感を得ようとします。

⑤ 捕食型(The Predatory)

これは非常に稀ですが‥

性的な目的で
最初から危害を加えることを
計画しているタイプです。

静かに情報収集を行うのが特徴です。


3. なぜ話が通じない?
原因は「認知の歪み」

被害者がどれだけ
「やめて」
と伝えても、
行動がエスカレートする原因の一つに、

心理学で言う
「認知の歪み(Cognitive Distortion)」
があります。

加害者の多くは、
事実をありのままに
受け取ることができず、
脳内で自分に都合よく変換してしまいます。

【認知が歪んでいる人の脳内変換】

  • 事実:
    彼女が警察を呼んだ。

  • 歪んだ解釈:
    「彼女は誰かに操られて
    警察を呼ばされたに違いない!
    僕が彼女を救い出してあげなきゃ!」

このように
解釈されてしまうため、
論理的な説得は通用しません。

自分たちだけで
解決しようとせず‥

「物理的に距離を置く」
「第三者(警察や専門家)
を間に入れる」

ことが鉄則とされているのは、
このためです。


4. 付き合う前に見抜ける?
日常に潜む「3つの予兆」

100%見抜くことは
難しいですが‥

ストーカー化しやすい
性格傾向(パーソナリティ)には
いくつかの共通点があります。

以下の3つに当てはまる場合は、
警戒レベルを上げたほうが良いでしょう。

① 交際初期の「過剰な愛」

出会ってすぐに
「結婚したい」
「君なしじゃ生きられない」
と極端に重い言葉を言ったり、
高価なプレゼントを贈り続けたりする人。

これは
「相手を自分の所有物にしたい」
という欲求の裏返しかもしれません‥

最初は情熱的に見えますが、
冷めるのも早く、
思い通りにならないと
攻撃的になることがあります。

② 店員さんへの態度が横柄

自分より立場が弱い
(反撃してこない)店員さんに対して、
怒鳴ったり見下したりする人。

これは
「他者への共感性」
が欠如しているサインです。

「自分は特別だ」
という特権意識があり‥

付き合いが長くなれば、
その冷酷な態度は
パートナーに向けられます。

③ 「俺は悪くない」という他責思考

何かトラブルがあった時、
絶対に謝らず‥

「あいつが悪い」
「お前が俺を怒らせた」
と人のせいにする人。

自分の非を認められない性格は、
別れ話の際にも‥

「別れるのはお前のせいだ」
「俺を傷つけた」
と逆恨みする原因になります。


【まとめ】

トワ
トワ
なるほど…。『親密希求型』とか『認知の歪み』とか、言葉を知ってるだけで冷静になれそうだね。
ノア
ノア
うん。特に『店員さんへの態度』とかは、すぐにチェックできそう。 『優しい人』だと思ってても、実は『自分にとって都合がいい時だけ優しい人』かもしれないってことだね。
トワ
トワ
違和感を無視しちゃいけないってことか。勉強になったよ。

【最後に:ひとりで悩まないで】

もし、現在のパートナーや
元交際相手の行動に恐怖を感じたら、
無理に一人で解決しようとしないでください。

解説した通り、
相手の「認知」が
歪んでいる場合、
あなたの言葉は届きません。

警察の相談窓口(#9110)や、
NPO法人のカウンセリングなど、
第三者を間に挟むことが、

あなたと相手、
双方の人生を守ることになります。


参考文献・出典

  • 警察庁 生活安全局「令和5年におけるストーカー事案の検挙状況等について」

  • Mullen, P. E., Pathé, M., & Purcell, R. (2000). Stalkers and their victims. Cambridge University Press.

  • 特定非営利活動法人ヒューマニティ(ストーカー対策カウンセリング)

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